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2018年10月16日の大崎裕史の今日の一杯

東京都中央区日本橋

「麺屋武蔵」監修のラーメンを「わたす」(日本橋)で食べられることを10/15に初めて知る。調べてみると9/3から発売されていたらしい。一ヶ月以上も私の前にこの情報が届かなかったのは、不思議だ。
18時過ぎに店に着いてみると先客ゼロ。そのせいか店員のモチベーションも低い。「麺屋武蔵監修」の「旬のあら〜麺」セットが有るかどうか、聞いてみる。低いモチベーションのまま「ある」との返事。「じゃぁ、それください」と。コミュニケーション的には「食べるぞ〜」という気持ちが少し萎えた。(笑)
お客さんは私だけなのに外観を撮ってからすぐに注文して出てくるまでに21分(写真のタイムスタンプより)かかったのは丁寧に作っているのだろう。(と信じたい)
この「旬のあら〜麺」セット、「あら〜麺」(鮮魚のアラから出汁を取ったのでアラとら〜麺を合体させて「あら〜麺」になっている。よくできたラーメンなのにこのネーミングでちょっと損をしているかも。あとで触れるがかなりおいしいのだ。)とサラダか煮物の選択(私は煮物を選んだ)、デザートとソフトドリンクが付いて1580円。「煮物もデザートもドリンクも要らないからもっと安くしてよ〜」と言う人がいてもおかしくない。実は私もちょっとだけそんな気持ちがあった。しかし、飲み物はまあ普通だが、煮物もデザートもなかなかおいしい。そしてそれ以上に、このラーメンが高級感あってしかもおいしいので、ラーメンだけで1280円払い、他のモノは300円でセット、と考えるとメチャ安いセットだと思えるようになったから人間ってのは面白い。
ここまででも長いのにここから「あら〜麺」の説明。2011年の震災東北支援のために料理ボランティアの会で「麺屋武蔵」がホテルの魚料理で使用したアラから出汁を取って作ったメニュー。昨年、石巻でも提供されて好評の逸品。
そして今年9月3日から、東北に関係のある「わたす日本橋」でこの「あら〜麺」がセットで提供されたというわけだ。「フードロス」対策のメニューでもある。店名の「わたす」は、南三陸町と日本橋に、人と未来に、心の架け橋を「わたす」という意味らしい。「私」の東北弁ではないので誤解のないように。(私が東北出身だけに気になった)三陸や東北の食材をふんだんに使ったこだわりの創作料理を提供している。
この「あら〜麺」、アラのダシを使ったあっさり潮味。そこにそうめんのような細麺ストレート。カネジン食品製とのこと。ちょっと珍しいので武蔵の矢都木社長に聞いてみたらボランティアイベントなどでは使っている麺らしい。そして揚げたてのかき揚げ。「ラーメンにかき揚げ」というのを怪訝に思う人が少なくないかもしれない。私は子供の頃からげそ天入り中華そばとか、高校の横の食堂で天ぷら中華そばを頻繁に食べていたので東京にそういうのが少ないのが驚きだった。そんな私だからか、この天ぷらがよく合う。スープにも天ぷらにもアラが入っており、しかも日替わり。時折、アラの味に「おっ!」と驚かされる。それが楽しい。そして何より、おいしい。アラ自体は魚臭さが強く出てしまうと私自身は苦手なのだが、このスープは実においしい。気が付くのが遅かったのであと2週間しかやってないが日本橋に行く機会があったら、ぜひ寄ってみて欲しい。この店自体はランチもやっているが、このあら〜麺セットは夜のみ営業。昼はラーメン無し。発売は今月末まで。

お店データ

わたす日本橋

東京都中央区日本橋1-5-8(日本橋)
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2015年12月末現在約23,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。